2009nenn
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 米DisplaySearch社は,2009年のテレビの世界出荷台数の予想値を上方修正した(発表資料)。出荷台数は前年より3%減の2億40万台となる見通し。同社は景気後退の影響を受けて,2008年11月に2009年の予測値を下方修正していたが,今回その予測値をプラス方向に修正した。2009年第1四半期の出荷台数が,液晶テレビを中心に当初の予想を上回ったことに加え,各国政府による景気刺激策などが貢献したという。特に中国の景気刺激策の影響が大きいとする。テレビ全体の出荷台数が前年実績を下回ることはこれまでになかったが,この減少は一時的なものとDisplaySearch社はみる。

 同社が予測する2009年の液晶パネルの出荷台数は,1億2700万台。前回予想の1億2000万台から変更した。前年比の伸び率は21%に達する見通しで,テレビ全体の世界出荷台数の63%を占めるとみる。この伸びを牽引するのは,世界のテレビ市場における薄型テレビへの急速な移行という。中でも,中国の2009年の液晶テレビの出荷台数は2360万台と予測する。主な増加要因は,中国政府による農村部向けの家電購入補助金プログラムや,都市部向けのCRTテレビから液晶テレビへの買い替え促進策の実施などである。

 一方,2009年の液晶テレビの世界売上高は,前年比で6%減少する見通し。価格下落や米Wal-Mart Stores,Inc.のような割引きの大きい小売販売チャネルへの移行が響いているという。ただし,DisplaySearch社は,前回予想の660億米ドルから760億米ドルに変更しており,前回の予測値よりも前年比の落ち幅は小さくなっている。液晶パネルの価格が2009年4月以降に上昇し始めたほか,2009年後半に液晶テレビの平均販売価格の下落率が鈍化しそうなことなどを反映しているとする。また,120/240Hz駆動といった技術を使った機種やバックライトにLEDを採用している機種の出荷が急速に伸びていることも貢献しているという。

PDPテレビの出荷台数は対前年比2%減

 PDPテレビの2009年の出荷台数は,対前年比約2%減の1410万台の見込み。2008年の前年比伸び率28%と比べると大きく落ち込むことになる。DisplaySearch社の前回の予測値と比べてもわずかに減少しているが,これは景気後退の影響を受け,40型以下のテレビを購入する消費者が,価格に非常に敏感になったためという。1080p対応機がPDPテレビの出荷台数に占める割合は上昇を続けており,2009年は32%に達すると見込む。今後もこの勢いは続く見通しで,2010年には50%,2013年には80%を上回ると予測する。